睡眠不足

睡眠不足改善方法6選

前回は、睡眠不足が及ぼす影響6選を紹介しましたが、
今回は、睡眠不足を改善する方法について紹介します。

睡眠不足を解消する睡眠時間とは?
日本人の睡眠時間は平均して
7時間54分だといわれています[1]

また、6割を占める方が6~8時間の睡眠を
とっているため、厚生労働省ではこれを
「標準的な睡眠時間」だとしています[2]

しかし適切な睡眠時間は個人や
年齢によっても異なるため、明確な基準はありません。

なかには短時間睡眠でも日中の活動に
支障が出ない「ショートスリーパー」もいるため、
そうした人と同じ睡眠時間を取っても睡眠不足の
影響が出てしまう場合もあります。

そのため、
自分に必要な睡眠時間を知ることが重要です。

「私にとって十分な睡眠時間はどのくらいなんだろう?」

と疑問に思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。

自分に必要な睡眠時間は日中の眠気の
程度によって想定できます。

日中の仕事や学業に支障を来すほどの眠気が
生じない場合は、十分な睡眠時間を
得られているといえるでしょう。

もし、日中に強い眠気が出た際には
睡眠時間を見直して自分に合った睡眠時間を
見つけてくださいね。
[1] 総務省統計局「令和3年社会生活基本調査」
[2] 厚生労働省「健康づくりのための睡眠指針 2014」

☆睡眠不足を改善するための方法
睡眠時間はできるだけ長く取れば健康に
なるというわけではありません。

しかし日中のパフォーマンスを維持し
健康的な毎日を送るためには、
自分に合った睡眠を確保することが非常に重要です。

ここでは睡眠不足を改善するためのポイントとして、
スムーズに入眠するための方法や睡眠の質を
上げるために気をつけたいポイントなどについて解説します。

寝つきが悪くついつい遅くまで起きてしまったり、
夜中に何度も目覚めてしまったりして睡眠不足を
感じている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

1 規則正しい生活を送る
快適な睡眠を得るためには、
規則正しい生活を送ることが基本となります。

起床・就寝時間、食事時間などの生活リズムが整うと、
体内時計に作用しホルモンなどが調整されるため、
理想的な時間の睡眠・覚醒が促されます。

そのためスマホやゲームによる夜更かし、
昼寝のし過ぎなどの不規則な生活は禁物です。

生活リズムが崩れやすい休日も、
平日と同様の時間に起床・就寝する習慣を
つけるように心掛けましょう。

しかし仕事などの都合によっては、
眠るのが遅く睡眠時間が十分に確保
できないこともありますよね。

その場合には昼寝の時間を
確保することが効果的です。

昼寝をすることによって眠気を軽減できるため、
作業能率の向上が期待できます。

ただし、昼寝をする場合には午後のなるべく早い時間帯で
30分以内にとどめるようにしてくださいね[3]

また、ヒトの体内時計は目から入った外界の
明暗環境の情報を取り込んで適応します。

体内時計の調整には、
朝の太陽の光を浴びることが最も効果的です。

起床後はすぐにカーテンを開けて
自然の光を取り込むようにしましょう。

反対に、長時間の照明を浴びることは
体内時計の遅れを招いてしまうため要注意です。

特に日本でよく使用されている昼白色の照明の光は、
体内時計を遅らせやすいため可能であれば
暖色系の照明を選ぶと良いとされています。

その他に生活習慣を整える上で気を
つけたいポイントとしては、食生活があります。

朝食は朝の目覚めを促し日中の活動のためのエネルギー源
にもなるため特に重要です。

簡単に作れるものでも良いので
毎朝しっかり食べるようにしましょう。

対して寝る直前の食事は睡眠を妨げてしまう原因
となるため避けるよう心掛けてくださいね。
[3] 厚生労働省 e-ヘルスネット「不眠症」

2 適度な運動を取り入れる
習慣的に運動をすると寝付きが良くなり、
深い睡眠が得られます。

国内外のさまざまな研究から運動習慣が
ある人には不眠が少ないことが分かっています。

「どんな運動に取り組んでいけば良いんだろう?」

と気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

良質な睡眠を得るには体に負担の少ない有酸素運動が効果的です。

有酸素運動にはジョギングやウォーキング、水泳などがあります。

しかし、激しい運動や就寝時間直前の運動は
覚醒を促すので避けるようにしましょう。

ヒトの体は脳の温度が低下するときに
入眠しやすくなるため、これらの運動を
夕方から夜の早めの時間に行うことで、
就寝時間が近づくと眠気が生じて寝付きが良くなるのです。

就寝する3時間前には有酸素運動を済ませ、
就寝に合わせて体温が下がっていくように調整してくださいね[4]
[4] 厚生労働省 e-ヘルスネット「快眠と生活習慣」

3 入浴時間を調整する
就寝前に体温を一時的に上げることで
入眠しやすくなります。

入浴時間やお湯の温度などを
工夫するとより良い効果が期待できますよ。

入浴によって一時的に上がった体温が
低下するときに入眠しやすくなるため、
就寝の2~3時間前には入浴を済ませるようにしましょう。

38度のぬるめのお湯であれば25〜30分、
42度のお湯であれば5分程度の入浴が理想的です[5]

また、半身浴で汗をかく程度に入浴することも
体温の上昇をもたらすためスムーズな入眠に効果的です。

入浴のタイミングや時間に注意しながら、
体調に合わせた内容で取り組んでみてくださいね。
[5] 厚生労働省 e-ヘルスネット「快眠と生活習慣」

4 リラックスできる環境を整える
ストレスは睡眠の妨げになるため
入眠前にはリラックスできる環境を整えましょう。

心配事があるときやイベントの前日などに
寝付けなかった経験がある方も多いのではないでしょうか。

眠る前に好きな音楽や読書などで
落ち着ける時間を設けることは、
緊張や不安をほぐすのに有効です。

睡眠時間の目標を立てて無理に
寝ようとすることも、かえって不安や緊張が
増して眠りにくくなることがあります。

どうしても寝付けない場合は、
就寝時間にこだわらず「眠くなったら寝る」
と割り切って、日中は活動的に動くよう心掛けてみてくださいね。

また、自分が眠りやすい環境を整えることも大切です。

部屋の明るさは自分が心地良いと感じる程度に暗くし、
室温や寝具などを眠りやすいように整えるようにしましょう。

5 就寝前の飲酒や喫煙を控える
寝る前の飲酒や喫煙も良質な睡眠の妨げになるため控えましょう。

「お酒を飲むと眠くなって寝つきが良くなる」
と感じたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

アルコールには入眠を促進する作用があり、
深い眠りにつくことができるといわれています。

しかしその作用は一時的で、睡眠時間の経過とともに
中途覚醒が増えるためかえって睡眠の質の低下を招きます。

喫煙習慣がある方も、ニコチンの覚醒作用によって
寝付きにくさや熟睡感の低下を感じやすいとされています。

喫煙により体内にニコチンが入ると
約 1 時間程度作用が持続するといわれています[6]

そのため就寝前や中途覚醒があった際の喫煙は避けるようにしましょう。
[6] 厚生労働省「健康づくりのための睡眠指針 2014」

6 就寝前のカフェイン摂取を避ける
就寝前のカフェイン摂取は入眠を妨げ睡眠を浅くする可能性があります。

カフェインに覚醒作用があることはよく知られていますね。

カフェインはコーヒーや緑茶、栄養ドリンク、
チョコレートなどに多く含まれています。

摂取されたカフェインの効果は3時間程度持続する
といわれています[7]

またカフェインには利尿作用もあり、
眠っている途中で尿意によって目が覚める原因にもなります。

そのため、カフェインが含まれる飲食物は
就寝する5〜6時間前から控えるようにしましょう[8]
[7] 厚生労働省「健康づくりのための睡眠指針 2014」
[8] 厚生労働省 e-ヘルスネット「快眠と生活習慣」
                                  (MediPaletteより抜粋)

いかがだったでしょうか? 前回のおさらいをかねて、
重要なポイントをお伝えします。

睡眠不足の状態が慢性化するとストレスの増大や
認知機能の低下を招くだけでなく、
生活習慣病の発症リスクを高めてしまいます。

睡眠時間には明確な基準がないため、
熟睡感が得られたか、眠気によって日中の活動に
支障が出ていないかによって自分の睡眠を
見直していくことが大切です。

睡眠不足は規則な生活や運動不足、
飲酒や喫煙、ストレスなどが原因で起こります。

睡眠と覚醒のめりはりのない生活を送ると
体内時計のずれが修正できず、
寝つきにくさや睡眠の質の低下を招きます。

睡眠不足を改善するためには
規則正しい生活を送ることが肝心です。

朝起きたらすぐにカーテンを開けて
太陽の光を浴び、運動習慣を取り入れることで
覚醒と睡眠のめりはりをつけましょう。

寝付きの良さや睡眠の質の改善には入浴時間を調整したり、
リラックスできる環境を整えたり、就寝前の飲酒や喫煙、
カフェイン摂取などを控えることも重要です。

体内時計を整え、スムーズな入眠や質の高い睡眠が得られるよう、
ここでご紹介したポイントを参考に取り組んでみてくださいね。

最後までお読みいただきまして、有難うございました。

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