モーニングルーティンとは「朝の習慣」のこと。
一般的に、「起床してから家を出るまでの毎朝の流れ」
を意味する言葉です。
芸能人やYouTuberによる「モーニングルーティン動画」が
ブームになり、「理想的な朝の過ごし方」を
模索する人が増えています。
モーニングルーティンは、心身のコンディションを整え、
仕事や勉強のパフォーマンスを高めるために重要です。
社会人・学生向けに、
一日を気持ちよくスタートできる
モーニングルーティンをご紹介します。
まずは、モーニングルーティンの目的を
確認しておきましょう。
☆身体を目覚めさせる
モーニングルーティンによって身体を動かし、
刺激することで、心身が覚醒します。
シャキッとした気分で元気よく一日を
スタートできるでしょう。
☆一日の準備をする
モーニングルーティンには、
着替えなどの身支度や家事も含まれます。
一日の計画を立てたり、仕事や勉強の準備を
整えたりすることも同様です。
☆自己投資をする
最重要と言ってもいいモーニングルーティンの目的は、
将来のための自己投資です。
脳科学者の茂木健一郎氏によると、
朝は脳が最もさえており、
外から邪魔が入らないため、
ひとりでの活動に最適なのだとか。
自分の将来についてじっくり考えたり、
夢の実現に向けて勉強したりなどの
「自分磨き」に取り組むのも有意義です。
これら3つの目的を意識しつつ、
どんなモーニングルーティンを行なうか、
次の章から考えていきましょう。
社会人・学生におすすめのモーニングルーティンとして、
9つご紹介します。あなたはどれを取り入れますか?
ルーティン1 ベッドで準備運動する
「モーニングルーティン以前に、
眠すぎてなかなかベッドから出られない」という方には、
ベッドの上で準備運動をするルーティンがおすすめです。
腕や脚を動かすことで血行がよくなり、
身体が覚醒します。
以下は、精神科医の保坂隆氏がすすめる
「脳をフル回転させる」準備体操です。
①仰向けになって両腕を上げる
②両手を10回ほど振る
③両膝を立て、大きくゆっくり回す。
左回りと右回りで10回ずつ
④四つんばいになり、両手足を直角に立てる
⑤息を大きく吸いながら胸を突き出し、背を反らす
⑥息を吐きながら、へそをのぞき込むように背を丸める
⑦④~⑥を5、6回繰り返す
⑧四つんばいで背を伸ばし、
深呼吸しながら首をゆっくり左右に
大きく振る。尻をのぞき込むイメージ
⑨四つんばいのまま姿勢を低くし、
全身の力を抜く。そのまま10秒
朝起きるのが苦手な方は、
この体操をぜひ実践してみてください。
ルーティン2 水を飲む
起床後は、水を500mlほど飲みましょう。
脳科学者の池谷裕二氏によると、
寝ているあいだに身体から多くの水分が
失われるため、朝は軽い “脱水状態” なのだとか。
体内の水分が少しでも足りないと、
頭痛や吐き気が生じるだけでなく、
記憶力や認知能力が低下する恐れすらあるそうです。
イースト・ロンドン大学とウェストミンスター大学
による2013年の共同研究でも、知的作業の前に
500mlの水を飲んだ被験者は、飲まなかった被験者
より14%も反応時間が速かったと判明しました。
体調不良を防ぎ、脳を働かせるため、
起きたら水を飲む習慣をつけましょう。
ルーティン3 朝日を浴びる
ベッドから出たら、カーテンを開けて朝日を
たっぷり浴びましょう。
精神科医の樺沢紫苑氏によれば、
目の奥にある網膜が太陽の光をキャッチすると、
神経伝達物質・セロトニンが分泌されるそう。
セロトニンは、精神の安定や脳の覚醒に
深く関わっています。
セロトニンが増えることで心身が目覚め、
すがすがしい気分で一日をスタートできるのです。
また、朝日を浴びれば、睡眠ホルモン・メラトニンの
分泌がストップします。
作業療法士・菅原洋平氏によると、メ
ラトニンの分泌を止めるには、
1,500~2,500ルクスの明るさが必要だそう。
窓から1m以内であれば、室内でも3,000ルクス程度
の光を浴びられるとのことです。
カーテンを開けるためにベッドから
出ることすらつらい方は、
光式の目覚まし時計を使うのも手です。
時間が来ると数万ルクスの強力な光を照射し、
起床を促してくれます。
ルーティン4 散歩する
セロトニンを分泌させるには、散歩も効果的です。
前出の樺沢氏によると、
「リズム運動」でセロトニンが活性化するそう。
樺沢氏は、起きてから1時間以内に
15~30分散歩することを推奨しています。
晴れた日は、近所や公園を歩き回ってみましょう。
セロトニンが分泌されるだけでなく、
自律神経のバランスが整うそうですよ。
ルーティン5 朝食をとる
朝食をとることも、基本的かつ重要なルーティンです。
2010年に発表された東北大学と大塚製薬の共同研究では、
・栄養調整食品(400kcal)
・糖液(400kcal)
・水(0kcal)
という3種類の朝食を用意し、
それぞれの条件下で被験者にテストを行なわせ、
脳活動を測定したそう。
「栄養調整食品」の条件では、
ほかの条件に比べて以下のような結果が得られました。
・疲労感が弱い
・集中度が高い
・脳の前頭前野が活発に働く
つまり、朝食をとるのはもちろん
朝食の栄養バランスを考慮することで
脳のパフォーマンスを高められるのです。
最低でも、以下に挙げる栄養を朝食に取り入れましょう。
ひとり暮らしの場合、特に意識してみてください。
☆ブドウ糖
ブドウ糖は、脳と身体を動かすのに不可欠です。
主にパンやお米などの主食を通じて得られます。
管理栄養士・大島菊枝氏によると、
朝のおすすめは「米食」。
消化・吸収のスピードがゆるやかで、
ブドウ糖が長時間供給され続けるためです。
いわゆる “腹もちがいい” ということですね。
脳研究者の瀧靖之氏は、白米よりさらに吸収が
ゆるやかだとして、玄米をすすめています。
◆おすすめの食品
・玄米
・五穀米 など
☆ビタミンB群
ブドウ糖をエネルギーとして使うには、
ビタミンB群が必要です。
ビタミンB群が不足すると、
せっかくのブドウ糖を活用できず、
エネルギーが足りなくなってしまいます。
主食だけでなく、
ビタミンB群が豊富な食品を食べましょう。
◆おすすめの食品
・卵
・納豆
・豚肉
・玄米 など
☆タンパク質
タンパク質は、身体の組織をつくったり
機能させたりするのに欠かせません。
◆おすすめの食品
・肉
・魚
・大豆
・卵
・牛乳 など
3種類の栄養素を軸に、
バランスのいい朝食をとりましょう。
糖分とビタミンB群の両方を含む玄米、
ビタミンB群とタンパク質を含む卵・納豆・豚肉は、
特におすすめです。
◆おすすめの朝食メニュー
・玄米+目玉焼き+ツナサラダ
・玄米+納豆+焼き魚
・五穀米+ハム+鮭フレーク
ルーティン6 柑橘類を食べる
可能であれば、柑橘系のフルーツも
朝食に取り入れてみましょう。
精神科医の西多昌規氏によると、
柑橘類、特にレモンは、心を落ち着かせる物質
「GABA」の働きを弱めて脳を目覚めさせるそうですよ。
◆朝におすすめの柑橘類
・グレープフルーツ
・オレンジ
・レモン
・レモン系飲料
ルーティン7 ToDoリストをつくる
仕事や勉強に取りかかる前は、
その日やるべきことをToDoリストにしましょう。
一日をムダなく過ごし、
実り多いものにするために欠かせません。
行動科学コンサルタントの冨山真由氏は、
以下のようなつくり方をすすめています。
①その日やるべきことを、期限が近い順に書き出す
②必ずその日にやるべきことに「○」、
翌日以降でもいいことに「×」をつける
③午前・午後前半・午後後半に一日を3分割し、
タスクを割り振る
このようにToDoリストをつくれば、
タスクに手をつける順序が明確になり、
仕事・勉強を効率よく進められます。
ルーティン8 「書く」ことで頭を整理する
なんだか心が落ち着かない。頭がモヤモヤしている……。
そんな朝には、思考や感情を
紙に書き出し整理してみましょう。
「朝イチ業務改革コンサルタント」の池田千恵氏は、
以下に挙げる5つの項目を、週に1度ほど
書き出すことをすすめています。
・締切が近い課題は何か?
・読むべき・読みたい本や資料は何か?
・連絡しないといけない人はいないか?
・やりかけたままの計画はないか?
・手つかずの目標や夢はないか?
いますべきことは何か、将来に向けてどう準備
すべきかなど、大局的に把握できます。
思考や感情を整理する手段としては、
思いつくままに言葉を書き出す
「ジャーナリング」もおすすめです。
ルーティーン9 重要な仕事や作業に取り組む
朝は脳がフレッシュな状態で、
邪魔が入りにくいため、
何かに集中するには最適の時間帯です。
以下のように集中力・創造力を要するタスク、
特に重要性が高いタスクは、朝の時間帯に回しましょう。
・新たな企画を練る
・資料やスライドを作成する
・資格試験に向けて勉強する
「朝に30分だけ作業する」という
モーニングルーティンを続ければ、
大きな成果を得られます。
(STUDY HACKER記事より抜粋)
今回のポイントは、
ルーティン1 ベッドで準備運動する
ルーティン2 水を飲む
ルーティン3 朝日を浴びる
ルーティン4 散歩する
ルーティン5 朝食をとる
・ブドウ糖
・ビタミンB群
・タンパク質
ルーティン6 柑橘類を食べる
ルーティン7 ToDoリストをつくる
ルーティン8 「書く」ことで頭を整理する
ルーティン9 重要な仕事や作業に取り組む
となります。
いかかでしたでしょうか?
前回の「社会人お勧めルーティン7選」と
ダブっている部分が、あると思いますが、
自分ができる部分から、ぜひ、実践されることを
お勧めします。