「カフェインには眠気覚まし効果があるってよく聞くけど、
それ以外にも効果があるのかな?」
「1日にどれくらい摂取して良いんだろう?」
このようにカフェインについて気に
なっているという方も多いのではないでしょうか。
カフェインには眠気覚ましの効果が
あることはよく知られていますよね。
実はそのほかにも鎮痛作用や
疲労回復効果もあるとされています。
またカフェインと聞くとコーヒーや紅茶が
思い浮かぶ方も多くいらっしゃるでしょうが、
そのほかにもさまざまな食べ物や飲み物に含まれています。
この記事では覚醒効果を中心としたカフェインの効果から、
1日の摂取目安量、カフェインを多く含む食べ物・飲み物まで、
カフェインについて紹介します。
「効率良く眠気を覚まして仕事や
勉強に集中して取り組みたい!」
という方は必見ですよ。
1.知っておきたい!カフェインの正しい効果
カフェインは、コーヒー豆やカカオ、
茶葉などに含まれる苦みを持った成分です。
カフェインといえば、「眠いときに摂るもの」
というイメージを持っている人は多いでしょう。
「眠気覚まし」効果をはじめ、
まずはカフェインが人の体に及ぼす効果について、
具体的に解説していきますね。
1-1.カフェインの主な効果は「眠気覚まし」
カフェインを含んだ飲み物や食べ物を摂取すると、
頭が冴え、眠気が覚める覚醒効果があります。
これは、カフェインが脳内で眠気を作り出す
「アデノシン」という物質をブロックするためです。
脳の覚醒作用をストップさせ神経を落ち着かせる
はたらきがあるアデノシンが脳内ではたらくと、
ヒトは「眠気」を感じるようになります。
カフェインはそのアデノシンが脳内ではたらく過程で
邪魔することができるため、「眠気覚まし」に
効果的だといわれているのです。
・メモ
カフェインの多いものをとることに抵抗感がある方は、
食事や間食の際に「よく噛む」ことを意識するといいかもしれません。
「噛む」という運動は、脳のはたらきを
活性化させる効果があります。
そのため、カフェインを摂取するだけでなく、
日々の食事から噛む回数を増やすことも試してみてくださいね。
1-2.「鎮痛作用」「疲労回復」など他の効果も
「眠気覚まし」の他にもカフェインにはさまざまな効果があります。
痛みを抑える「鎮痛作用」、
倦怠感を取り去る「疲労回復」効果などです。
そのため、カフェインは風邪薬や
頭痛薬などの医薬品にも用いられています。
2.カフェインは体に悪くない?
摂取量さえ守れば大丈夫
「カフェインは体に悪い影響がある」という話を
いろいろなところで見聞きしたことがあるかもしれません。
「カフェイン中毒」という言葉も広まっており、
眠気覚ましにカフェインを取りたくても「
本当に体に害はないのかな?」と
不安になってしまうこともありますよね。
実はカフェインが体に及ぼす影響には
大きな個人差があるといわれています。
そのため、「これ以上カフェインを摂ってはいけない」
という具体的な数値は国内では定められていません。
・メモ
逆にいえば、「これぐらいカフェインを摂ったら眠気が覚める」
といった目安量も決められていません。
カフェインに対する感受性は人それぞれ異なるためです。
しかし、国外の機関では健康に悪影響を及ぼさないと
されるカフェインの摂取量を示しているところもあります。
ヨーロッパの公的機関である
欧州食品安全機関(EFSA)の研究では、
カフェインの1日の最大摂取量を400mg以下、
一度の摂取量を200㎎以下にするべきだと定めています*1。
・メモ
上記は健康な成人の場合の数値です。
妊娠中および授乳中の女性は、
1日の摂取目安量全体が200mgとなります。
また未成年の方については基本的には成人と同様、
1日の摂取量は体重1kg当たり2.5~3mg程度を
目安にするといいでしょう。
「じゃあ、カフェイン400mgってどれくらいなの?」
具体的にコーヒーや紅茶を何杯までなら飲んでいいのか、
気になるところですよね。
先ほどご紹介したEFSAの定めた基準に則ると、
インスタントコーヒーならマグカップ2杯半(660ml)程度、
紅茶ならティーカップ10杯(約1.3L)程度が目安となります。
1日にどれくらいカフェインを摂っていいの?
健康な成人が、1日に摂取して問題のない量 400mg
インスタントコーヒーなら マグカップ2杯半くらい
紅茶ならティーカップ10杯くらい
眠気を抑えて作業を進めたいときには
上記の量を意識してコーヒーや紅茶を
飲むと良いでしょう。
眠気覚まし効果のあるカフェインは、
他の飲み物や食べ物にも含まれています。
次の章では、コーヒーや紅茶を含めカフェインが
入っている代表的な飲み物・食べ物をご紹介します。
☆注意事項
一度に400㎎のカフェインを摂るのは控えましょう。
400㎎というのはあくまでも1日に摂っていい最大の目安量です。
一回当たりの摂取量は200㎎以下に抑えるように意識してくださいね。
*1 EFSA explains risk assessment「Caffein」
3.【含有量別】カフェイン入りの飲み物・食べ物5選
「頭がぼーっとしてなんだか眠い……」
そんなとき、あなたの眠気を吹き飛ばしてくれるかも
しれないカフェイン入りの代表的な飲み物・食べ物を
5種類まとめました。
それぞれにどれくらいカフェインが入っているのかも
記しているので、気になるものをチェックしてみましょう。
①コーヒー:眠気覚ましの定番!カフェイン含有率高
作業中眠くなってしまったときに飲むものといえば、
多くの人が「コーヒー」をイメージするでしょう。
「コーヒーで頭がシャキッとした」
という経験がある人も多いのではないでしょうか。
実際、コーヒーには比較的多くのカフェインが
含まれています。
【コーヒーのカフェイン含有量】
種類 カフェイン含有量(100ml当たり)
・レギュラーコーヒー 60mg 浸出方法:
コーヒー粉末10gを熱湯150ml
・インスタントコーヒー 57mg 浸出方法:
インスタントコーヒー2gを熱湯140ml
内閣府食品安全委員会「食品中のカフェイン」をもとに作成
浸出方法によって多少量は前後しますが、
コーヒーには100ml当たり約60mg程度の
カフェインが入っています。
コーヒーに含まれているカフェインの効果で、
眠気覚ましが期待できるでしょう。
ちなみに、EFSAという国外の機関は健康な成人が
1日に摂取できるカフェインの量は最大400mg、
一度の摂取量は200mgが目安としています。
つまり、コーヒーで換算すると1日660ml(マグカップ約2杯半)程度、
1回当たり約330mlの飲用なら問題ないと考えられますね。
②紅茶:コーヒー苦手でもOK!カフェイン含有率中
コーヒー独特の苦みがあまり好きではないけれど、
紅茶は好きだという人もいるかもしれません。
紅茶にもコーヒーの約半分程度のカフェインが
含まれていて、眠気覚ましの効果が期待できます。
【紅茶のカフェイン含有量】
種類 カフェイン含有量(100ml当たり)
紅茶 30mg 浸出方法:茶5gを熱湯360mlで1.5~4分
内閣府食品安全委員会「食品中のカフェイン」をもとに作成
コーヒーに比べるとカフェインが
少ないのは事実ですが、コーヒーが苦手な方でも
飲みやすいのはうれしいポイントですよね。
また、EFSAの示したカフェインの最大摂取量から
逆算すると紅茶は1日約1.3L(ティーカップ10杯分程度)
飲めるという計算になります。
ただし一度に摂取する量の目安は200mgと
されているので、667ml程度が一回に
摂取して良い量の目安です。
といっても、そこまで多くの紅茶を
飲む機会はそうそうないですよね。
午前と午後に2~3杯ずつ飲んでも大丈夫なので、
紅茶はペースを気にせずに楽しめるカフェイン飲料
であるといえるでしょう。
③お茶類:玉露はコーヒーより効くかも?
カフェイン含有率低~高
私たちの食生活と切っても切り離せない
お茶のなかには、実はコーヒー以上に
カフェイン含有量が高いものもあります。
以下に各お茶の種類と
カフェイン含有量(100ml当たり)を
一覧でまとめました。
【お茶のカフェイン含有量】
種類 カフェイン含有量(100ml当たり)
緑茶(玉露) 160mg 浸出方法:茶葉10gを60度の湯60mlで2.5分
緑茶(せん茶) 20mg 浸出方法:茶10gを90度の湯430mlで1分
ほうじ茶 20mg 浸出方法:茶15gを90度の湯650mlで30秒
ウーロン茶 20mg 浸出方法:茶15gを90度の湯650mlで0.5分
内閣府食品安全委員会「食品中のカフェイン」をもとに作成
お茶類の中で最もカフェイン含有量が多いのは
「玉露」で、なんと100mlに160mgもの
カフェインが含まれています。
玉露は一般的に「緑茶」
と呼ばれるお茶の一種です。
収穫前の3週間程度前から日光を
遮った状態で育てる高級茶葉で、
「覆い香」と言われる独特の香りや
甘みがあります。
しかし、日常生活で実際に玉露を
飲む機会はあまりないですよね。
玉露は比較的高級な茶葉であることもあり
、眠気覚まし用の飲み物としては
どちらかというと不向きかもしれません。
一方、おそらくほとんどの方にとって
玉露より身近なお茶である「せん茶(緑茶)」、
「ほうじ茶」、「ウーロン茶」などに
含まれるカフェインは比較的少量となっています。
せん茶とは、玉露とは異なり収穫まで
日光の下で育てるお茶で、緑茶の中でも
一般的なものです。
少量とはいえ、日頃よく口にする緑茶
にも紅茶の3分の2程度のカフェインが入っています。
コーヒーや紅茶をあまり飲まないという人でも、
作業中の飲み物を緑茶やウーロン茶などに変えるだけで、
含まれているカフェインによる眠気覚ましの効果が
感じられるかもしれませんよ。
④エナジードリンク:眠い人向け!
カフェイン含有率高
仕事や勉強に集中したいときや疲労感が
たまっているとき、エナジードリンクを
飲んでいるという方もいるかもしれません。
エナジードリンクや眠気覚ましに特化した飲料は、
カフェイン含有量が非常に高くなっています。
【エナジードリンクのカフェイン含有量】
種類 カフェイン含有量(100ml当たり)
エナジードリンク 32~300mg 製品によって、カフェイン含有量は異なる
(眠気覚まし用飲料も含む)
内閣府食品安全委員会「食品中のカフェイン」をもとに作成
実際にどの程度カフェインが含まれているのかは
商品によって大きく異なりますが、とにかく眠気を
覚ましたいときには打ってつけの飲み物でしょう。
一般的に200~300ml程度のエナジードリンクであれば、
カフェイン含有量は50mg~100mgほどです。
1日に1本飲む分には問題のない量といえるでしょう。
ただし、一気にまとめて数本飲んでしまうなど、
過剰摂取には気を付けるようにしましょうね。
⑤5チョコレート:作業中に!カフェイン含有率低~中
実はチョコレートにもカフェインが含まれています。
原料のカカオにカフェインが含まれているからです。
【チョコレート100g当たりのカフェイン含有量】
種類 カフェイン含有量
ダークチョコレート 80mg カカオ70〜85%
ミルクチョコレート 20mg –
U.S. DEPARTMENT OF AGRICULTURE(アメリカ農務省)
「FoodData Central」をもとに作成
一般的なミルクチョコレートにもカフェインが
入っていますが、カカオの割合が70〜85%と
多いダークチョコレートでは100g当たり
80mgのカフェインが含まれています。
頭をスッキリさせたいときにはより
カフェインの多いダークチョコレートを
選ぶと良いかもしれませんね。
また、ダークチョコレートの苦みが
好きではない場合は、ミルクチョコレートを
食べてほっと一息つきましょう。
おやつにチョコレートがあれば、
メリハリをつけて作業を進められるかもしれません。
一般的な市販の板チョコレートは一枚50g程度
のものが多いため、一度に大量のカフェインを
摂取することには繋がりにくいと考えられますが、
食べ過ぎには注意しましょう。
(MediPaletteより抜粋)
まとめてみますと、
【カフェインが含まれている代表的な飲み物・食べ物5選】
1コーヒー:眠気覚ましの定番!カフェイン含有率高
2紅茶:コーヒー苦手でもOK!カフェイン含有率中
3お茶類:玉露はコーヒーより効くかも?カフェイン含有率低~高
4エナジードリンク:眠い人向け!カフェイン含有率高
5チョコレート:作業中に!カフェイン含有率低~中
カフェイン含有量と手軽さをかけあわせて考えると、
どうしても眠気を覚ましたいときには、
エナジードリンクやコーヒーを飲むと良いといえます。
仕事や勉強で長時間集中しなければならないときや、
寝不足で頭がスッキリしないときなど、
カフェインに頼りたくなる場面は数多くありますよね。
自分の好みや体質に合ったものから上手に
カフェインを摂って、スッキリした頭で
作業を進められるといいと思います。
ぜひ試していただければと思います。