「仕事中、イライラが抑えられなくて困っている……」
「最近イライラして家族に当たってしまうんだよなあ……」
忙しい日々を送るなかで、
このようなお悩みを抱えている方も
いらっしゃるでしょう。
イライラが募るとつい人に強く当たってしまったり、
そんな自分に嫌悪感を抱いてしまったりといった
悪循環に陥ってしまいますよね。
ただし、イライラを無理に抑え込んだり
我慢したりするのはかえって心に逆効果です。
どうしてもイライラしてしまうあなたの気持ちは、
「頑張りすぎで辛い」という心や体からのサインかもしれません。
この記事では、イライラしやすい状態の原因や
もうイライラしないための対処法を詳しくお伝えします。
「普段ならこんな些細なことでイライラしないのになあ……」
というように、最近イライラが募ってしまうことを
気にしている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
思いどおりにならないことがあった場合などに、
ついイライラしてしまうのは誰にでもあることです。
まずは、イライラが続きやすい状態に
なってしまう原因についてご説明しましょう。
原因1 ストレス
イライラの主な原因はストレス だといえるでしょう。
「そんなに大きなストレスを感じている自覚はないんだけどなあ……」
という方もいらっしゃるかもしれませんね。
しかし、無自覚のうちに複数のストレスが積み重なって、
あなたのキャパシティを超えてしまっている可能性もあります。
人間関係のトラブルや仕事の量・質の変化、環境の変化、
家庭内の出来事や金銭問題など、気づかぬうちに
些細な問題が積み重なって負担になってしまっていませんか?
それらのストレスが「イライラ」の原因になっている場合があります。
「こんなことでイライラしてしまうなんて……」
と自分を責めず、知らず知らずのうちにストレスを
溜めてしまっていないか日々の生活を振り返ってみましょう。
原因2 その他健康上の理由
イライラしてしまう状態が続くのは
ストレスが原因だけではありません。
心や体になんらかの問題が
生じている可能性も考えられます。
医療機関の受診が必要になる場合もありますので、
これから一つひとつご説明していきましょう。
(1)ホルモンバランスの崩れ
イライラしてしまう原因には、
ホルモンバランスの崩れ も挙げられます。
特に女性の場合は、「月経前症候群(PMS)」
の可能性があります。
・月経前症候群(PMS)
生理前になると現れるさまざまな症状のことです。
情緒不安定になったり眠れなくなったり集中力が
下がったりするほか、食欲不振・過食、倦怠感、
腹痛や頭痛などの症状が存在します。
PMSの原因ははっきりとはわかっていないものの、
女性ホルモンの変動と関わっているとされています。
・メモ
PMSは心身に影響を及ぼしますが、
特に心への影響が大きい場合には
「月経前不快気分障害(PMDD)」の可能性もあります。
また、更年期障害も「イライラ」の原因
として考えられるものの一つ です。
・更年期障害
更年期(閉経前の5年間と閉経後の5年間)に
現れるさまざま症状が重い状態を指します。
体の火照りやめまい、動悸といった身体的な
症状だけでなく、気分が落ち込んだり、
イライラしたり、眠れなくなったりすることもあります。
更年期障害は加齢によって女性ホルモンの分泌が
揺らぎながら低下していくことで引き起こされます。
また、男性も加齢によって男性ホルモンの分泌が
低下することで更年期障害のような症状が現れる場合があります。
女性に比べ精神的な症状が現れやすく、イライラしたり、
眠れなくなったりすることが多いといわれています。
ホルモンは体内のさまざまな機能を調節する
重要な役割を果たしているため、男女ともに
ホルモンバランスが崩れるといろいろな症状が
現れてしまうのですね。
(2)精神障害などの疾患
そのほかにもイライラしやすくなっている原因
としては何らかの疾患が考えられます。
些細なことにも不機嫌になってしまったり、
怒りっぽくなったりする症状は、
多くの「精神障害」で見られるものです。
・精神障害
例えばうつなどの「こころの病気」と呼ばれるものから、
脳腫瘍など幅広い症状や疾患が含まれます。
「イライラしやすい」という状態のほかにも心身に
気になる症状が出ている場合には、何らかの疾患で
ある可能性も視野に入れておく必要があるでしょう。
後ほど詳しくご説明しますが、
無理せず専門医を受診するようにしてくださいね。
今すぐできる解消法9選
「もうこんなイライラとはサヨナラしたい……!
一体どうしたら良いんだろう?」
というように、イライラを解消する方法が
一番気になるところです。
先ほどご説明したようにイライラの
主な原因はストレスだと考えられます。
気持ちを落ち着かせるためには、
無理してイライラやストレスを我慢せず、
適度に発散することが重要です。
そこで、ここからは簡単に実践できるイライラや
ストレスの解消法をご紹介していきますね。
・メモ
健康上の理由でイライラが止まらない方は、
基本的には病院にかかることをおすすめします。
ただし、「今すぐこのイライラをなんとかしたい!」
とお思いの方もいらっしゃるでしょう。
そんな方は、これからご紹介する方法を
ぜひ実践してみてくださいね。
少しでも気が紛れるかもしれません。
1 深呼吸して気持ちを落ち着ける
深呼吸はいつでもどこでも行える有効
なイライラ解消法の一つです。
呼吸法はあらゆるリラクゼーションの
基本とされており、実はヨガや太極拳の動きも
呼吸や瞑想に至ためのプロセスだといわれています。
深呼吸は座ったりあおむけに寝転んだりして、
楽な姿勢で目を軽く閉じて行いましょう。
ただ大きく息を吸ったり吐いたりするのではなく、
腹式呼吸を行うのが重要です。
・メモ
腹式呼吸をする際は、
まず、息を吐き出すところから始めましょう。
吐き出しきったら、鼻から大きく息を吸います。
息を吸うときにはおなかが膨らんでいるのを意識し、
吐くときにはゆっくり体の力を抜いていきます。
何度か繰り返したら自然な呼吸に戻しましょう。
深呼吸する時間を意識してつくるだけで、
全身の血液循環が良くなり、首や肩の凝りも解消しますよ。
2 ストレッチでリラックスする
ストレッチも気持ちを落ち着けるのに
有効な手段だといえます。
イライラしたり、悩みや心配事を抱えていたりと
心にストレスがかかっていると体に不調が現れます。
その反対に体をリラックスさせてあげると、
心の負担も軽くなると考えられるのです。
例えば座ったまま両手を組み、
上に伸ばして胸を張るいわゆる「伸び」
もストレッチの一つです。
縮こまって緊張状態になっている体を
リラックスさせることができます。
ゆっくりと首を回すストレッチも首筋の血流が良くなり、
脳に酸素を送りやすくなるため頭がスッキリするかもしれませんよ。
手軽なストレッチを取り入れて、心の平穏を手に入れましょう。
3 親しい人と話す
イライラしてしまう気持ちを
溜め込むのは心や体に良くありません。
「なんだか最近うまくいかないことばかりだなあ……」
「イライラしてつい周りに当たってしまう……」
辛かったり、気になることがあったりする場合は
親しい人に打ち明けてみましょう。
イライラする気持ちが抑えられないのは、
なんらかのストレスが積み重なっていたり、
自分がそのストレスについて納得できて
いなかったりすることが原因だと考えられます。
そのような状態を自分一人で抱え込んで解決しようとすると、
時間と労力がかかる上、精神的にも疲れてしまいますよね。
しかし、信頼のおける人に話を聞いてもらえば
気分が軽くなることもあるでしょう。
他者の意見を聞くことで自分を冷静に
見つめ直すこともできるかもしれません。
4 たくさん笑う
笑うこともイライラ解消法の一つとしておすすめです。
「思いっきり笑うとなんだかスッキリする」
という実感をお持ちの方も多いでしょう。
実際に、笑うことは科学的にイライラの元と
なるストレスの解消法として有効だといえます。
笑うとき、人間は腹式呼吸になり
大量の酸素を取り込んでいます。
ストレスを受けている状態の人間の脳は
興奮によって酸素をどんどん消費してしまうため、
笑うことでたくさんの酸素を取り込むと脳のはたらきが
良くなるのです。
また、笑うことは自律神経にも良い影響を与えます。
・自律神経
全身の臓器を司っている神経のことです。
交感神経と副交感神経の二つつがあり、
緊張状態には交感神経が、ゆったりと
リラックスしている状のときには
副交感神経が優位にはたらいています。
笑うことで「副交感神経」が優位になり、
ストレスホルモンの分泌が減少します。
笑いはストレスが体に与える悪影響を
緩和してくれるのですね。
5 自分の好きなものを食べる
おいしいものを食べることが
リフレッシュになるという方も
多いのではないでしょうか。
食事は栄養を摂るためだけに行うものではなく、
心を落ち着ける役割も果たしています。
おいしいものを食べたときには
「β-エンドルフィン」と呼ばれる
神経伝達物質が分泌されます。
・β-エンドルフィン
不安や緊張を和らげ気分の高揚や
幸福感をもたらすため、「脳内麻薬」
とも呼ばれている神経伝達物質です。
忙しくてゆっくり食事をする暇もないことが
「イライラ」に拍車をかけている場合もあるかもしれません。
最近気持ちの余裕がなくなっているなと
感じる方はおいしく楽しい食事を心掛けましょう。
また、自分の好きなおやつを食べるのも
良いかもしれませんね。
・メモ
疲労感の回復に有効な成分が配合された
食品を摂取するのも良いでしょう。
例えば「GABA」を摂取することにより
心理的・肉体的疲労がどちらも軽減される
ことが実験の結果*1から分かっています。
6 噛むことで脳を刺激する
実は噛むことがストレス解消に
つながるということをご存じでしょうか。
咀嚼は五感から入ってきた刺激が快か
不快かを判断する、脳の「扁桃体」と
呼ばれる部位のはたらきを抑える作用を
持っています。
扁桃体のはたらきが抑えられると不快
という信号が大脳に送られにくくなり、
ストレスやイライラを感じにくくなるのです。
また、噛むことは心を安定させるはたらきを
持つ脳内伝達物質「セロトニン」の分泌量を
増やす効果もあります。
セロトニンの分泌量はストレスや
睡眠不足によって低下してしまいます。
セロトニン不足が続くと気分が
落ち込みうつ状態にもつながってしまうため、
噛むことでセロトニン分泌を促し、
イライラなどのネガティブな気分を軽減させましょう。
食事のときには歯応えのあるものを選び、
よく噛むことを心掛けたいですね。
7 太陽の光を浴びる
陽の光を浴びることもイライラの原因
となるストレス解消に効果的です。
デスクワーク中心の生活を送っていて、
なかなか日光を浴びる機会がないという方も
多いのではないでしょうか。
日光を浴びると脳内物質「セロトニン」
の分泌が増加します。
セロトニンには精神を安定させ脳を
活発にはたらかせる作用があり、
ストレスに対して効果があるといわれているのです。
またセロトニンの分泌はウォーキングやジョギング、
サイクリングなど一定の動きを繰り返すリズミカルな
運動によっても促されます。
日頃運動不足が続いているという方も
いらっしゃるでしょう。
太陽の光を浴びながら散歩する、
というのもおすすめですよ。
8 趣味に没頭して日常を忘れる
趣味に打ち込むこともストレスの
解消につながります。
イライラしていても自分の好きなことや
楽しいことを考えればイライラの原因を
忘れられるという方も多いのではないでしょうか。
映画を観たり本を読んだり、
音楽を聴いたり演奏したり、
旅行に出かけたり、山に登ったり、
人によってさまざまな趣味があることでしょう。
仕事や家事などを忘れ、自分の好きなことを
できる時間を持つことが重要です。
9 よく眠って疲れを取る
よく眠って疲れを取ることもストレスを
解消しイライラを感じにくくしてくれるでしょう。
睡眠不足が続くと脳のはたらきが
低下しストレスに弱くなってしまいます。
睡眠不足は体だけでなく心にも
悪い影響を及ぼしてしまうのです。
たっぷり眠って心身の疲れを取るようにしましょう。
規則正しく十分な睡眠を取ることを心掛けましょう。
・注意事項
「寝溜め」はおすすめできません。
休みの日に寝すぎると生活リズムが崩れてしまい、
休日明けの寝覚めが悪くなってしまう可能性があります。
また、かえって疲れてしまう可能性もあります。
些細なことでもイライラしてしまう状態が続く場合には、
専門家に相談するのも有効な手段です。
体や脳、心に何らかの病気や障害が
生じていることがイライラの原因に
なっている可能性もあります。
イライラする気持ちを隠せないでいると
、周囲の人とギクシャクしてしまうこともあるでしょう。
特に周囲の人から「最近怒りっぽくなってない?」
「イライラすることが多いんじゃない?」などと
指摘されたときには一度立ち止まって自分を
振り返ってみることが重要です。
「こんなにイライラが続くなんて
何かおかしいのかもしれない……」
などと不安になったときには大袈裟に構えず、
医師に相談するつもりで気軽に受診してみてくださいね。
医師の診断を受けたり、場合によっては治療を
受けたりすることでご自身も周囲の人も
安心させることができるかもしれませんよ。
(MediPaletteより抜粋)
ここまでのイライラ解消法を整理すると
1 深呼吸して気持ちを落ち着ける
2 ストレッチでリラックスする
3 親しい人と話す
4 たくさん笑う
5 自分の好きなものを食べる
6 噛むことで脳を刺激する
7 太陽の光を浴びる
8 趣味に没頭して日常を忘れる
9 よく眠って疲れを取る
イライラを感じやすくなっている場合、
原因としてまず考えられるのはストレスが
溜まっていることです。
(7月4日記事のストレス解消法6選も参考になります)
また、ホルモンバランスが崩れていたり、
精神障害になっていたりする場合にも
イライラしやすくなることがあります。
イライラした気持ちを感じるときには
無理に抑え込もうとせず、
こまめに解消することを心掛けるようお勧めします。
それでも体や心の不調が続いてしまう場合には、
早めに専門家に相談してみてくださいね。
できることから気楽にやってみることをお勧めします。