仕事中や勉強中など、活動しているべき時間に
眠くなってしまわないためには、質の高い睡眠を
十分にとることが重要だと考えられます。
「でも、どうやったら睡眠の質を高められるんだろう?」
というのが気になるところですよね。
ここでは睡眠の質を高めるための
ポイントをお伝えしましょう。
ポイント1 決まった時間に寝起きする
快眠のためには、まずは規則正しい生活を
送ることが重要です。
布団に入る時間や起きる時間が日によって
違うという方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
夜更かしをしたり、普段より起きる時間が遅れたりすると、
その分体内時計が後ろにずれてしまいます。
十分な睡眠時間を確保しつつ、
できるだけ毎日同じ時間に布団に入り、
目覚めることを心掛けましょう。
体内時計には前もってホルモンの分泌や
生理的な活動を調節することで睡眠に
備える機能があります。
毎日規則正しく生活することで、
体内時計を整えられると考えられるのです。
ポイント2 朝や昼に光を浴びる
体内時計の周期を地球の周期に合わせるため、
重要だと考えられているのが光です。
起床直後の光は体内時計を整えるために
最も効果的だといわれているので、
朝起きたときにしっかりと光を浴びて
おくようにしましょう。
また昼間に明るい光を浴びることで、
夜に分泌される体内時計を調節したり眠気を
催したりするはたらきのあるホルモン「メラトニン」
の分泌量が増えることが分かっています。
室内の光でも体内時計に影響を与えますが、
通常太陽光の明るさは室内の照明の10倍、
曇りの日であっても5倍あります[1]。
また起きてから2時間以上外の光を浴びずに
過ごしていると体内時計の調節がうまくいかず、
就寝時間が遅れやすいという指摘もされています[1]。
体内時計を整えるためには屋外の太陽光が
一番効果的だと考えられるでしょう。
つい屋内で過ごしがちだという方も、
少し外に出ることを心掛けてみてくださいね。
[1] 厚生労働省「健康づくりのための睡眠指針2014 〜睡眠12箇条〜」
ポイント3 夜はカフェインを控える
眠気覚ましに効果的なカフェインは、
寝る前に摂ってしまうと当然眠りの
妨げになってしまいます。
敏感な方は就寝の5〜6時間前から
カフェインを含む食べ物や飲み物を
避けるようにすると良いでしょう[2]。
夜眠る前には水や麦茶、牛乳などカフェインを
含まない飲み物がおすすめですよ。
[2] 厚生労働省 e-ヘルスネット「快眠と生活習慣
ポイント4 夕方から夜に体を動かす
最近運動不足が続いている、
という方もいらっしゃるかもしれませんね。
運動する習慣を身に付けることで、
寝付きが良くなりぐっすり眠れると考えられますよ。
運動のタイミングとしては
夕方から夜にかけての時間帯、
就寝の3時間ほど前がおすすめです[3]。
ヒトは脳の温度が下がるときに眠気を
感じやすくなるため、運動によって一度脳を
温めてあげることで通常時よりも下がり幅が
大きくなり、より快適な眠りにつけると考えられるのです。
ただし就寝直前の運動は体を興奮させ
眠れなくしてしまうので避けるようにしてくださいね。
[3] 厚生労働省 e-ヘルスネット「快眠と生活習慣」
ポイント5 湯船につかる
普段、湯船につからず入浴をシャワーだけで
済ませてしまっているという方もいらっしゃるのでは
ないでしょうか。
湯船につかると、より快適な睡眠が期待できます。
眠気は脳の温度が低下するときに
発生しやすいといわれています。
お風呂につかって一度脳の温度を上げることで、
就寝時に下がるが通常よりも大きくなりぐっすりと
眠れると考えられるのです。
入浴のタイミングは、就寝の2〜3時間前がおすすめです[4]。
熱めのお湯は体の負担が大きくなってしまうので、
38度のぬるめのお湯で30分ほどか、
42度の熱めのお湯なら5分程度の入浴が
良いと考えられています[4]。
また40度のお湯で30分ほど、
汗をかく程度の半身浴でも寝付きが
良くなる効果があることが分かっています[4]。
ご自分の体調や好みに合った入浴方法で
快適な睡眠を目指しましょう。
[4] 厚生労働省 e-ヘルスネット「快眠と生活習慣」
ポイント6 就寝直前の食事を避ける
快適な眠りのためには、
眠る直前の食事を避けることもポイントです。
就寝直前に物を食べると消化活動
によって睡眠を妨げられてしまいます。
また食事の時間も体内時計を
調節する要素の一つだと考えられています。
規則正しく食事を摂ることも重要ですよ。
歯磨きも眠気を覚ましてしまうと考えられるため、
夜ご飯は早めに済まし、歯磨きも就寝直前は避けて行いましょう。
ポイント7 就寝直前のたばこやお酒を控える
寝付きが良くなるからと眠る直前にお酒を
飲んでしまっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
アルコールは確かに寝付きを良くしますが、
明け方の睡眠を妨げる作用も持っています。
眠りが浅くなったり途中で目が覚めたりして
睡眠の質が落ち、昼間眠気が生じる原因に
なってしまうかもしれません。
またたばこも眠る前には避けておいた方が
良いものの一つです。
たばこに含まれているニコチンが体への刺激となり、
快眠を妨げてしまう可能性があります。
ポイント8 就寝直前はスマホなどの画面を見ない
SNSやゲームアプリなどに夢中になって、
眠る直前、布団の中でもスマホを触っている
という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「ブルーライト」を浴びてしまわないよう、
眠る直前には画面を見ないのも快眠のためのポイントです。
・ブルーライトとは
スマホやパソコン、テレビなどのデジタル機器の
画面が発する青色の光のことです。
ブルーライトはヒトの目に見える光のなかでは
最も波長が短く、強いエネルギーを発しています。
夜間や寝る直前にブルーライトを浴びると、
体内時計を調節し眠気を催させる
ホルモンメラトニンの分泌が抑制され、
脳が昼間だと勘違いして眠れなくなってしまうと
いわれています。
布団に入る直前は、
スマホなどの画面は見ないようにしましょう。
また機種によってはブルーライトを
調節する機能が付いているものもあるので
お持ちの方は活用してみてくださいね。
(MediPaletteより抜粋)
日中に襲ってくる眠気を解消するためには、
原因に応じた対処をしつつ、生活習慣を整えて
質の高い睡眠を十分にとることが重要です。
規則正しい生活を心掛け、体内時計を整えましょう。
朝や昼間に日光を浴び、適度な運動を習慣的に行い、
入浴時には湯船につかるように心掛けましょう。
就寝直前には食事や喫煙、飲酒、デジタル機器の
画面を見ることを避けるのもポイントです。
できることから始めることをお勧めします。