「疲労の原因にはどんなものがあるんだろう?」
「どうしたら疲れをとれるんだろう……」
忙しい毎日の中で疲れを感じ、
このような疑問を持っている方も
多いかもしれませんね。
疲労には、肉体的なものや精神的なもの、
病気に伴うものなどがあります。
「単に疲れがたまっているだけだから」
と放置せず、早めに対処することが重要です。
そこで、この記事では疲労を感じる
メカニズムや疲労の種類などについて紹介します。
疲労とは?
「最近疲れているかもしれないな……」
何となく体調が優れないときに、
このように感じる方もいらっしゃるでしょう。
疲労感を自覚しながらも「疲れただけで大したことはない」と、
特に対処しないことも多いですよね。
しかし、疲労を感じるということは、
体からの大切なサインでもあるのです。
ここでは、疲労とは何なのか、
その原因などについてご説明していきましょう。
☆疲労の定義
そもそも、疲労とは何なのでしょうか。
「疲れ」や「疲労」という言葉は身近ですが、
よく考えてみると疲れがどのようなものなのか分からない、
という方も多くいらっしゃるかもしれませんね。
疲れとは、心身の負担が大きく、
活動能力が低下している状態のことをいいます。
肉体的なものだけでなく、「だるい」「休みたい」
と思う精神的なものも疲労だと考えられるのですね。
疲労は「痛み」や「発熱」
に並ぶ体からの危険信号だといわれています。
発熱などに比べるとあまり危機感のない疲労ですが、
重要な生体システムの一つなのですね
☆疲労の原因
疲労の原因は、運動することで筋肉中に増える「
乳酸」であると考えられていました。
しかし近年この説は否定され、
代わりに疲労の原因と考えられているのが自律神経のダメージです。
☆自律神経とは
体の状況に応じて意思とは無関係にはたらき、
体内の状態を適切に保ってくれる神経です。
体温調節のために汗をかいたり食べたものを
消化するために胃腸を動かしたりするのは自律神経の働きです。
自律神経は互いに相反するはたらきをする
「交感神経」と「副交感神経」に分けられ、
体を活発に動かしたり緊張したりしているとき
には交感神経、体を休めているときや
リラックスしているときには副交感神経が優位になります。
生体機能のコントロールを行う自律神経がダメージを受け、
交感神経と副交感神経のバランスが崩れると
「活性酸素」が過剰に作られることになるのです。
☆活性酸素とは
呼吸によって体内に取り込まれた酸素の
一部が変化したものです。
体内で免疫機能などの役割を担っていますが、
過剰になると細胞を傷害し動脈硬化や生活習慣病、
がんなどを引き起こす要因となります。
通常、ヒトの体内には活性酸素の
はたらきから細胞を守る機能が備わっており、
活性酸素を速やかに除去してくれます。
しかし、活性酸素の発生がこの処理能力を上回るような場合は、
十分処理できなかった活性酸素により細胞が傷つけられることで
疲労を感じてしまうとされています。
なお、疲労は脳で感じますが、
疲労を感じるための信号を脳に
送る役割を担っているのが「免疫細胞」です。
☆免疫細胞とは
病原菌やウイルス、異常な細胞などから体を
防御してくれる免疫システムに関わる細胞です。
免疫システムには、多くの種類の細胞が関わっています。
免疫細胞が細胞や器官が傷ついていることを
見つけた際に放出する物質が脳や神経に届くと、
だるさなどが生じ、疲れを感じるようになるのです。
しかし、好きなことをしていたり夢中に
なって作業をしたりしていると、
あまり疲れを感じないこともありますよね。
意欲や集中力が高まっている場合には、
疲労を感じず過剰に活動してしまうことがあります。
その結果、気付かないうちに疲労が
蓄積し対処が遅れてしまうことも考えられます。
疲労を蓄積させないためには、
疲労感の有無にかかわらず自分の生活状況などを
振り返ることも大切なのかもしれませんね。
☆疲労の種類
体はあまり動かしていないのに何となく疲れた、
と感じることもありますよね。
疲労には体の疲れだけではなく、
精神・神経的な疲労や、病的な疲労などが存在します。
疲労にも種類がありますが、体の疲れでも精神的な疲れでも、
原因は自律神経のダメージであるということに違いはありません。
ここでは、疲労の種類について詳しく解説していきましょう。
1.肉体的な疲労
体を動かすことで生じる肉体的疲労は
「末梢性疲労」とも呼ばれます。
体を動かし続けることで筋肉に蓄えられた
エネルギーが枯渇している状態が末梢性疲労です。
筋肉を使い過ぎることで、
老廃物や過労物質が蓄積し筋肉の張りやだるさとして現れます。
また、使い過ぎて傷ついてしまった筋肉では
炎症が起こり、筋肉痛を引き起こします。
2.精神的な疲労
精神的なストレスや緊張状態が
続くことで感じる疲労は「中枢性疲労」です。
中枢性疲労は、視神経や脳の緊張状態から発生します。
人間関係のストレスや長時間のパソコン作業
などにより疲れを感じることも多いですよね。
脳が活発にはたらくことで脳内での酸素消費量が増えると、
それに伴い生体内で除去できないほどの活性酸素が発生してしまいます。
そのことにより細胞が傷つけられ、
だるさなどとして疲れを感じるようになります。
3.病的な疲労
]肉体的な疲労や精神的な疲労は、
休息や気分転換により回復させることができるため
「生理的な疲労」であるといえます。
一方、休息を取っても回復しない「病的な疲労」もあります。
疲労感や倦怠(けんたい)感を伴う病気は非常にたくさんあります。
例えばがんでは、がん自体の影響によるものの他、
抗がん治療の影響やがんに伴ううつ病や睡眠障害などの
精神障害の症状として出現する場合もあります。
その他に疲労感を伴う病気としては、
うつ病や睡眠障害、内分泌疾患、肝炎、AIDS、
脳血管障害、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などが
挙げられ、症状や原因、病気の生じる部位はさまざまです。
病的な疲労の場合は、十分な休息を取っても疲労感を
軽減することは難しく、病気の治療を優先させることになります。
(Medi Palette記事から引用)
疲労を解消しないと病気になってしまいますよね。
なので次回は、疲労の解消法についても紹介しますので、
ぜひ参考にしてみてくださいね。